人をテーマとする人材マネジメントにおいて、何が正しいかは複雑な要素によって、左右されます。そして、その複雑さゆえに、突き詰めていくほど、「人材マネジメントのための、人材マネジメント」の罠に陥る危険性があります。
我々は、あくまでもビジネスの成功のための人材マネジメントを考え、アドバイスします。それは、決して経営者のためにだけでなく、ビジネスの成功こそ、社員のやる気の源泉と考えるからです。いくらいい人事制度をつくっても、社員が自社のビジネスの成功を信じられなければ、やる気は高まりません。
コンサルティングのご提供にあたっては、以下の4つの方針を掲げて取り組んでいます
2.具体的な提案・アドバイスを行うこと
「それは結局何の問題?」と突き詰めていくなかで、どうしても考える内容を抽象化する必要が出てきます。仮に問題を大きく捉えるとしても、提案・アドバイスはできるだけ具体的に行います。
例えば、グローバルの組織や人材マネジメントの問題を考える際、「異文化対応力の問題」がよく取り上げられますが、このような問題定義は、当たり前ですが、十分ではありません。受け入れ側の人の対応力なのか、受け入れられる側の対応力か、はたまた組織の対応力か、を分けて考えなければ、具体的な解決法に結び付きません。
3.会社の強さ・良さ(軸)を見つめ、引き出すこと
ベンチマークは大切です。海外で日系企業がどのような施策を講じているか、が気になるのは仕方がないこと。しかし、そもそも日系企業内の比較に意味があるのか、また自社とはビジネスも組織規模も異なる会社のプラクティスを真似することに無理はないか、を考えることがなければ、正しいベンチマークはできません。
更にいうと、人材マネジメント戦略も事業戦略と同じで、「他社との違う考え方・やり方」が競争力の源泉となるはずです。事業戦略は差別化するが、人材マネジメントはライバルを「真似る」というのは競争力の源泉を作り出すことを自ら放棄しているようなもの。
そして、他社と違う考え方・やり方は、無理やり作り上げるものではなく、それぞれの会社の持つ強さ・良さ(=軸)を土台にしてできあがるものです。
4.最終形を意識した支援を行うこと
我々は「超国籍体制づくり」を支援するコンサルタントであり、社外取締役や顧問として経営へアドバイスを行う立場とは異なるスタイルで、サービスをご提供します。これから事業の海外展開を進める企業にとっては、船が大海に出るまでのパイロット(=水先案内人)であり、既にグローバル化の航海を進めている企業にとっては、次の航海に出るまでのオーバーホール(修理・調整)のためのドッグのような存在でありたいと思っています。
どのようにアドバイスすれば、複雑な湾を無事抜けられるか、どのようなご提案をすれば、次なる航海への万全の準備ができるか、という最終形を意識し、期限を切ってサポートします。